
診療科について
診療科
21世紀は心の世紀とも呼ばれています。2011年、厚生労働省は、がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病の4大疾病に精神疾患を加えて「5大疾病」と定義し、これまで以上に重点的に対策を進めていく方針を明確にしました。
しかしながら、このような体の不調と心の不調は本来切って分けることができません。例えば心理的ストレスで胃潰瘍などの体の症状が出ることもありますし、逆に重たい病気にかかってしまった苦悩で精神的な調子を崩してしまうこともあります。当院精神科は、現代において分離されがちな体と心の橋渡しをする役割を担っています。
私たちは高度医療を心身両面からサポートするために、入院患者さんの併診を行っています。さらに平成27年1月からは、専任の精神科看護専門看護師が所属する精神科リエゾンチームを立ち上げるなど、より一層の医療連携の充実を図っています。
当院には精神科病床が存在しないため、精神科のみの入院診療は行っておりません。これに伴い、夜間・休日の診療や処方、電話対応も行うことができません。精神科入院加療が必要な方については、他院への紹介または精神科救急システムへのご相談をお願いすることとなりますので、ご理解頂きますようお願い申し上げます。
【初診について】
現在精神科では、初めて外来受診される方の診察を行っておりません。
【再診について】
身体科入院患者のコンサルテーション・リエゾン活動に専念するため、現在外来通院中の患者様については、他院への紹介・転医をお願いしています。ご協力のほど、お願い申し上げます。
※心理カウンセリングをご希望の方はこちらへ
私たちは、精神疾患発症を予防するための臨床研究にも力を注いでいます。国立がん研究センターの松岡豊医師(社会と健康研究センター健康支援研究部長)と、西大輔医師(精神保健計画研究部室長)を中心とした研究チームにより、2013年度は英文原著論文11本が雑誌掲載されました。
また、災害医療拠点である当院の特色を生かし、東日本大震災の救援者におけるPTSD研究【リンク先】などでも成果をあげています。2014年から2017年に行われた循環器内科・精神科による共同研究では、急性冠症候群に続発する精神疾患のリスク因子を前向きコホートにより検討しました。その成果は英文雑誌に掲載され*、2017年6月の第113回日本精神神経学会で優秀発表賞を受賞しました。
今後も、新しい観点からの橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ)を継続し、成果を発表していく予定です。
*Yamashita A., et al.
Journal of Affective Disorders 218: 306-312, 2017
入院病床は存在しないため、身体各科における入院患者の併診依頼対応(コンサルテーション・リエゾン精神医療)を中心に診療を行っています。平成25年度のコンサルテーション・リエゾン新患数は421人であり、せん妄、うつ状態、自殺未遂などの患者が多数を占めていました。また、緩和ケアチームにおいても、せん妄、不安、抑うつなどの鑑別、心理職を交えた心理的ケア、薬物療法におけるアドバイスなど重要な役割を果たしています。
【役職】 |
精神科医師 |
---|---|
【氏名】 |
山下 晃弘(Akihiro Yamashita) |
【資格】 |
医学博士、精神保健指定医、 |
山下 晃弘
【役職】 |
客員研究員 |
---|---|
【氏名】 |
松岡 豊(Yutaka Matsuoka) |
【資格】 |
医学博士、精神保健指定医、 |
松岡 豊
【役職】 |
客員研究員 |
---|---|
【氏名】 |
西 大輔(Daisuke Nishi) |
【資格】 |
医学博士、精神保健指定医、 |
西 大輔